Behind-the-scenes of Christmas campaign
ファッション、アート、カルチャー......さまざまな分野を自由に横断し、「今」の東京に欠かせないクリエイターと制作したクリスマスビジュアル。ビジュアルづくりの背景を注目の二人に語ってもらいました。
Behind-the-scenes of Christmas campaign
ファッション、アート、カルチャー......さまざまな分野を自由に横断し、「今」の東京に欠かせないクリエイターと制作したクリスマスビジュアル。ビジュアルづくりの背景を注目の二人に語ってもらいました。
クリスマスの面影
花とクリスマスと女性、というお題をいただいてさてどうやってそれをひとつの絵にしようかなと考えた。クリスマスに近づくにつれ色を帯び、人々の期待と高揚感を映し出すかのように街は輝き始める。それを眺めるのは嫌いじゃないけど、私がクリスマスを思うとき頭に浮かぶのはまだサンタクロースの存在をかたく信じていた頃の、静かで淡い幼い記憶だ。枕元のプレゼントが気になってとんでもなく早起きした静かな朝のことや、サンタクロース宛に書いた手紙を暖炉に置いた緊張感や、終わりゆくクリスマスという楽しみが過ぎ去る寂しさを思い出す。私にとってクリスマスはまだ幼きあの頃にあって、非常にパーソナルな情景の中の一つであり続けている。だから今回のビジュアルの私の裏テーマは"みんなのクリスマス"ではなく"自分の中のクリスマス"にしようと思った。誰の中にもある淡くしんとした気持ちを描こうと。記憶とは不思議なもので、時が経ってもなお心を支配するほど強く時に狂暴なほどエネルギーを持つのに対しその輪郭は極めて柔らかくあやふやで形を成さない。手が届きそうで届かない、そんな空気の裏側みたいな、無意識に湧く感情みたいな、形はないのに確かにそこにあるものが写せたらいいなと。撮影の日、白色塗料でさらに白く化粧されたカスミソウを帯状にしドレープを寄せ越智くんがその場でドレスを組み上げていく。広く大きな漆黒の背景の前に座った彼女の、肌と髪と花の隙間を工藤くんが軽やかにそして丁寧にシャッターを切りおさめてくれた写真たちはクリスマスのあの切なさも、あたたかな煌めきそのどちらともが映し出されていて、ああ、この写真が街を彩る時この花のドレスがまた誰かのクリスマスの記憶の一部になれたらいいな、と思った。記憶はこうして無言のまま人から人へ伝わっていくのだろうか。今年のクリスマスも人々が楽しく平和に過ごせるように祈りを込めて
eri (DEPT)
学生時代から「CHICO」を手がけ、2004年に「mother」、12年より「VTOPIA」をスタートさせる。15年、自身の父がオープンし休止していたビンテージショップ「DEPT」を再スタート。テーブルウェアブランドの「TOWACERAMICS」や台湾スイーツカフェ「明天好好」、雑貨店「DONADONA TOKYO」のディレクションも務めている。


花のドレスをつくりたい
「クリスマスのヴィジュアルで、花のドレスをつくりたくって」――そんな話をいただいたのは、秋の影がまだ薄く、強い日差しが続いているころでした。わぁ! と嬉しくなってしまって、スケジュールも確認せずに、二つ返事で「ぜひ!」と答えました。すると続けて「それで、制作をDEPTのeri さんと一緒にお願いしたいんです」と――これはもう百人力(百万馬力かもしれません)だと思い、大船に乗ったつもりで取り組むことにしました(eri さんとは、公私共に深く交流があり、ものづくりに対する姿勢と、そのクオリティに圧倒的な信頼があります)。スピリット! 数日後にした短い打合わせ。背景はこういうのがいいかも......、とか、花がこんなふうになっていたら......、とか、写真はこの人に撮ってもらえたら(kudosの工藤 司くんにお願いしました)......、なんて話をしました。この時点では決定事項も少なくて、まだ抽象的な感じ。けれど、打ち合わせから撮影までの日程が割と近く、eri さんと参考になるものを共有したり、撮影に使う素材の手配をしたり、ドレスのパーツになるように花でサンプルを作っ たりと急いで進めているうちに、あっという間に撮影日が来てしまいました。 イメージしているものがヴィヴィッドに作り出せるのか少し不安な部分もあ りましたが、タイタニックに乗ったつもりで(嘘です)、緊張しつつ始ま った撮影。すると不思議なことに、それぞれが迷いなく動き、あれよあれよと進 んでいき、とんでもないスピードで撮れる撮れる。それも、イメージしていた 以上に――eri さんの具体的なヴィジョンと、工藤くんの視点が結びつくときの鮮やかさ!――ちいさなカスミソウの花が、目の前で雪のようにはらはらと揺れる。そして、胸にシン、とトキめくクリスマスの予感を、あたりに満たしていきました。見てくださったかたにも、そんな予感を受け取っていただけたらなぁ、なんちゃって
越智 康貴(DILIGENCE PARLOUR)
フラワーショップ「ディリジェンスパーラー」オーナー、株式会社ヨーロッパ代表。フローリストとして活動する傍ら、多方面の媒体で執筆活動も行なっている。2016年表参道ヒルズ内に旗艦店をオープンし、2019年には世界交易輸入雑貨店「DONADONA TOKYO」もスタートした
>>「OMOTESANDO HILLS 2019 Christmas」の詳細はこちら
<問い合わせ先>
表参道ヒルズ(総合インフォメーション)
電話:03-3497-0310
http://www.omotesandohills.com/
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2025.08.07
OMOTESANDO CULTURE WEEKEND
毎週末、さまざまなカルチャーイベントを開催! ファッション、アート、デザイン、食、音楽などについて、国内外のアーティストやショップ、メディアが一堂に集まり、来場者に向けて発信するイベントを週末ごとに開催します。 Art Culture Street. -SUMMER JAM- 4人組バンド・CHAIの元メンバーで、現在は画家、ファッションディレクター、作詞家などでマルチに活躍するクリエイターYUUKIが主催するアートと様々なカルチャーが融合したイベントを開催します。 開催日:8月16日(土)~8月17日(日) 時間:11:00~20:00 ※最終日のみ18時まで 主催:株式会社EmpaC インスタグラム:@artculturestreet ■YUUKI プロフィール4人組バンド・CHAIの元メンバー。CHAIではベース演奏に加え、作詞やアートワークなどを担当。2024年3月のバンド解散後には、アパレルブランド「YMYM」にてアパレルやライフスタイルグッズを手掛けるほか、アートイベント「Art Culture Street.」の主催や、作家としての創作活動など、これまで以上にマルチなクリエイターとして精力的に活動中。 POST EDIT ファッションという軸を持ちながら、編集的視点からライフスタイルやカルチャーを再構築する2日間限定のポップアップイベントです。ファッション、フード、アート、音楽、出版など、多様なジャンルから選ばれたブランドが出店します。空間全体を「時代が求める編集 = POST EDIT」というテーマで構成し、来場者に新たな価値との出会いや発見を提供します。会場内は各ブランドの世界観を体験いただける設計となっており、販売や、展示にとどまらず、出店者・来場者同士の交流の場としても機能し、クリエイターが共に創り上げる体験型の文化発信拠点を目指したイベントを開催します。 開催日:8月23日(土)~8月24日(日) 時間:11:00~21:00 ※最終日のみ18時まで 主催:COLORS.inc 関連ページ:https://www.instagram.com/post____edit/ ※8月24日(日)は「原宿表参道元氣祭スーパーよさこい2025」開催に伴う交通規制のため、11:00~16:30の間、表参道ヒルズの駐車場はご利用いただけません。詳しくは、こちら OMOTESANDO WART FAIR ファッションや音楽カルチャーの感性を宿すナチュラルワインのセレクターが地下空間に集い、それぞれの信念で選んだワインを提案する初開催のイベント。ワインの存在を「文化を育てる業置」と位置付け、音楽、時間、空間、表現、そして共有することの歓びなど、様々な要素が結びつくような体験を提供します。 開催日:8月28日(木)~8月30日(土) 時間:8月28日(木)・29日(金)16:00~21:00、8月30日(土)12:00~21:00 主催:ログズ株式会社 関連ページ:https://www.instagram.com/wart_tokyo/ ※内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。※各イベントでのお買上げについては、駐車券サービスおよびヒルズポイント付与の対象外となります。
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2025.06.30
真夏の刺激・涼感グルメSPICY&COOL
食欲そそる旨辛な"SPICYメニュー"とひんやり癒される"COOL メニュー"が登場!
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2025.08.15
チルストリート 8.29 NEW OPEN
「チル(リラックス)×ストリート(おしゃれ)」を両立、多忙な人の暮らしを軽やかに。