11月8日(水)~12月25日(月)まで表参道ヒルズの吹抜け大階段にて、フランス人の建築家/デザイナー、エマニュエル・ムホー氏によるクリスマスイルミネーション「100色のクリスマスツリーの森」を展開します。
エマニュエル・ムホー氏は、初来日の時に東京の街の「色」に感動を受けた体験から、「100色」を用いた作品を発表してきました。色のほかにも日本の伝統的な「仕切り」から着想を得た彼女独自のコンセプトである「色切/shikiri」を用いた色鮮やかなクリスマスツリーの森が表参道ヒルズの吹抜け階段に広がります。
100色を使用した約1500個の紙製のミニツリーが柔らかい光を放ち、いままでに見たことのない360度楽しめる幻想的な世界を生み出します。今回のクリスマスイルミネーションの制作やこだわりについてお話をお伺いしました。
---- 今回初めてクリスマスイルミネーションを手がけたそうですね。表参道ヒルズの特徴でもある吹抜け大階段に作品の題名「100色のクリスマスツリーの森」通り、約1500個のカラフルなミニツリーが並びますが、どのようにテーマを作り上げていきましたか?
エマニュエル : まず表参道という街に自然の「緑」を思い浮かびました。街に緑が連なるイメージから表参道ヒルズの吹き抜け大階段を大きな空洞に見立てて、そこに大きな森を作りたいと思ったことがテーマのスタートです。また表参道ヒルズの特徴でもある各階スロープで歩き回れる構造を活かし、360度から楽しめるクリスマスイルミネーションを作りたいとも思いました。約1500個で出来た100色のミニクリスマスツリーがレイヤー上に重なることで、色のグラデーションが立っている位置によって変わって見えますし、左右だけではなく上下からも見え方が変わって見えます。自然と館内を回りたくなる、そんな表参道ヒルズの建物の特徴を最大限に生かしたイルミネーションを作りたいという想いがきっかけになりました。
---- アイディアを固めていく上で、イメージより先ほどおっしゃったように言葉も大切にされるのでしょうか?
エマニュエル : そうですね。どの仕事においても言葉を重視しています。もちろんスケッチも描くのですが、その前に言葉を色々と思い浮かべてイメージを固めていきます。なので、最初は頭で考えて、事務所のスタッフなどに共有する時に、言葉で足りない部分をスケッチで補っていきます。今回の場合だと、先ほどお伝えしたように様々な角度から全体的に楽しめるものというキーワードから派生していきました。


---- 一般的にイルミネーションと聞くと、LED電飾で光った光景を思い浮かびますが、今回は紙製の100色、1500個のミニツリーすべてを光らしているそうですね。あくまでも自身の作品の個性でもある100色を光らせようと思ったアイディアのきっかけを教えてください。
エマニュエル : 「クリスマスイルミネーション」と最初聞いた時は、正直困りましたね。一般的に「クリスマスイルミネーション」と聞くとLED電球の色を想像してしまうのですが、私個人的には色がついたLED電球を用いることなく色そのものを最大限美しく見せたいと思いました。その後しばらく考えてもアイディアがすぐに出てこなかったのですが、結果シンプルに自分が時間をかけて作った100色を生かそうと考えました。なので今回100色の電球ではなく、100色そのものを光らせたインスタレーションにしています。まるで日本の提灯のように光を色で包み、優しい光の空間を作り出すことによって、他にはない優しさを感じられるクリスマスイルミネーションになっています。
---- 実際、約1500個のミニツリーを光らせるために工夫したポイントを教えてください。
エマニュエル : サイズ感、光り方、ミニツリーの形すべてにおいて事務所で何度も実験を行い、現場で一番色が綺麗に見える方法を試行錯誤しながら考えました。現場に行ってみるとまた見え方も異なりますし、約1500個、100色すべて毎回試すわけにもいかなかったので様々な加減を探りましたね。一番大事なポイントは、白い光を通した自分の100色の紙がどう見えるかでした。 光の加減、白なのか黄色味がかった光の色なのかなど事務所が電球だらけになる程に実験を重ねました。その甲斐あって、色そのものがきれいに光る光景が作れたと思います。


---- メインのツリーに関しては館内上部に広がるミニツリーとは別に白色の光を放ちますが、「白色」を用いた理由を教えてください。
エマニュエル : これまで様々な作品で100色を用いてきて、どの色も一番綺麗に映えるのが白色だったんですね。今回も吹き抜け全体に100色のミニツリーを吊るしていくので、メインツリーとミニツリーお互いを引きたたせるためにも中央に白色を落とし込みました。メインツリーも先ほどのプロセスと同様に、アクリルで囲まれた7メートルの白色の紙を電球で光らせています。また特別な演出の際には、スペシャルミュージックに合わせて黄色からピンク、緑、青色、そして最後はレインボーカラーに色が変わっていきます。その情景はまるでメインツリーに輝く無数の色がミニツリーに飛び散っているように見えるはずです。通常時はお互いを引きたたせるように、特別演出時はお互いの色が共鳴しあっているように見せています。
---- 演出も監修しているのでしょうか?
エマニュエル : そうですね。光、色、音楽の連動性などすべて監修しています。演出を監修するのも初めての試みで面白かったです。作曲家、照明さんなど様々なジャンルの方々の協力を得ながら形になっていく光景はとても新鮮だったので、立ち上がる前からとても楽しみにしていました。いままでにないクリスマスイルミネーションを感じていただけると思います。


プロフィール
エマニュエル・ムホー / emmanuelle moureaux
(建築家/デザイナー)
フランス生まれ。1996年より東京在住。 emmanuelle moureaux architecture + design主宰。東京の"色"と街並が成す複雑な"レイヤー"と、日本の伝統的な"仕切り"から着想を得て、色で空間を仕切る「色切/shikiri」コンセプトを編み出す。色を通して1人でも多くの人にエモーションを感じてもらいたいという想いを胸に、建築、空間、デザイン、アートなど多様な作品を創造し続けている。東北芸術工科大学准教授。受賞歴として、「International Architecture Awards」、「ARCHITIZER A+AWARDS」、「ICONIC AWARDS」、「Aesthetica Art Prize」等、国内外の様々な賞を受賞。URL:http://www.emmanuelle.jp/
Photo by Yutaro Tagawa
Text by Yoshiko Kurata
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